Common sense is the collection of prejudices acquired by age eighteen. It is harder to crack a prejudice than an atom.

神山プロジェクト

四国の徳島県にある神山という地名をご存じだろうか?鮎喰川に沿った渓谷にぽつりぽつりと家が立ち並び、日本のどこにでもある田舎の風景が広がっている人口6100人の町である。神山も日本の他の田舎と同じく、過疎化が進んでいるが、移住者を呼ぶためのユニークな取り組みを進めており、テレビでも紹介されている。本書は、日経ビジネスクロスメディアの編集長が神山町の取り組みと、その中心メンバーおよび神山へ移住してきた人のいきさつを自ら取材し、まとめたものである。以下、神山にサテライトオフィスを構えた企業を2社紹介する。

プラットイーズ

プラットイーズはテレビ番組のメタ情報(出演者、あらすじ、映像に関する技術情報など)が含まれた情報をケーブルテレビ局やCS放送局に提供しているベンチャー企業である。創業者の隅田氏によると、神山に拠点を構える理由は次のようなものだ。まず通信インフラ。「軽トラしか走っていないところに3車線の高速道路を作った」と隅田氏が言うように、神山は高速通信網が整備されている。このことは映像情報を扱う企業にとっては最も重要だ。

次に東日本大震災を教訓に拠点分散を顧客から要請されていたこと。
最後に神山の人々のオープンでフラットな人柄だという。企業誘致に力を入れている自治体は熱心に誘ってくるが、神山は「来たかったらどうぞ」「できる範囲でいいで」というスタンスが隅田氏の肌にあったとのこと。

Sansan

Sansanはクラウドで名刺管理サービスを手掛ける東京のITベンチャーだ。同社は神山にオフィスを構えて、エンジニアが滞在し、豊かな緑に囲まれたオフィス(古民家)で開発作業にいそしんでいる。そして、エンジニアの中には、満員電車での通勤で体調を壊したことをきっかけに神山に移住する者も現れている。

遠隔地でシステム開発を行うということは、IT業界では当たり前なので驚きは無いが、同社の取り組みはエンジニアのみならず、営業職にも神山で働いてもらうことを模索し、オンライン営業により、成果を上げ始めていることである。営業といえば対面で行うことが当たり前であるが、その当たり前に挑戦して、成果を上げているというのは興味深い。

おわりに

本記事では、ビジネスの視点から神山に拠点を置いた企業を紹介したが、本書自体は、人を基軸に構成されており、田舎ぐらしを考えていたり、徳島県の出身者でUターンを考えている人には参考になる箇所が多いのではなかろうか。また、本題からは外れるが、本書の前半には神山の新しい店(レストラン、カフェ、パン屋)も紹介されており、いずれも移住者が開いた店だ。神山には個人的に縁があるので、近いうちに行ってみることにしよう。

以上

神山プロジェクト 未来の働き方を実験する
篠原 匡 著
2014/03/10 初版発行

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