Common sense is the collection of prejudices acquired by age eighteen. It is harder to crack a prejudice than an atom.

「一体感」が会社を潰す

バブル崩壊までは「同質性」が競争力の源泉だったが、現在は「多様性」をもつ一流のプロフェッショナルで構成された組織が必要ではないか?というのが、本書の核となる主張だ。この主張自体は目新しさは無いように思うが、経営コンサルタントとして多くの企業の改革に従事した著者からすれば、長年培った企業文化はなかなか変えられず「言うは易し、行うは難し」というところだろう。サッカー日本代表における個と組織の成長についての例が興味深かったので紹介(一部は本ブログの管理人の解釈および補足を含む)する。

ドーハの悲劇(1993年)以前

ワールドカップの出場自体が目標で、個々の技術レベルも低く、体育会の根性サッカーで自律性がほとんどない時期だった。

日韓ワールドカップ(2002年)の一次リーグ突破

Jリーグの発展に伴い、個々の技術レベルが高まり(一人前)、中田英寿、稲本潤一、小野伸二など海外で活躍する選手も出だしたところ。また監督から与えられた役割をきっちりこなせるようになり(他律)、母国開催とはいえ一次リーグ突破という成果も出た。

ドイツワールドカップ(2006年)の一次リーグ敗退

一部の主力選手が海外で活躍する(一流)一方、Jリーグでプレイする選手が多く、チーム内に溝があったと当時監督だったジーコがのちに週刊誌のインタビューに対して答えている。一次リーグの最終戦(ブラジル戦)後、ピッチに仰向けに倒れ込んだ中田英寿をねぎらったのはキャプテンの宮本恒靖と中田とクラブチームでチームメイトだったブラジルのアドリアーノのみだったのが象徴的だった。

現在(2014年)

現在の日本代表は、海外の有名チームで活躍するプレーヤーも増え、個々の能力が高まっており、チーム全体としていかに融合してくか(統合律)に焦点があたっている。例えば、W杯優勝を目標にしている本田圭祐選手は、W杯出場を決めたときの会見で、チームとして個人として何が必要か?という記者の質問に対し、「日本の良さはチームワークではあるが、最後には個の力で試合が決するので、各自がさらにプレイの精度を高めることが重要」という意味合いの回答している。

おわりに

本書は「○○すればうまくいく」という安易な解決策を示す自己啓発本ではない。成功するためには、一流のプロフェッショナルとなれるよう努力した上で、さらに運が必要だとか、専門技術だけでなく営業力が必要など、正直で実践的な内容が盛り込まれていると感じた。

以上

「一体感」が会社を潰す 異質と一流を排除する<子ども病>の正体
秋山 進 著
2014/03/04 初版発行

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

カレンダー

2019年11月
« 10月    
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930