Common sense is the collection of prejudices acquired by age eighteen. It is harder to crack a prejudice than an atom.

君に友だちはいらない

ベストセラー「僕は君たちに武器を配りたい」を送り出した京都大学客員教授でエンジェル投資家でもある瀧本哲史氏の最新作である。本書はタイトルとは裏腹に「仲間づくり」について書かれている。愚痴をこぼしたり、傷をなめあうだけの「友だちはいらない」という思いをこめたタイトルだ。著者のメッセージは「あらゆる商品、サービスがコモディティ化する中で、人材のコモディティ化も進んでおり、これを乗り越えるには武器としてのチームを結成することだというものだ。以下、本書「君に友だちはいらない」で紹介されたチーム作りに関するエッセンスを幾つか紹介する。

10代、20代前半に出会う人

2人のスティーブといえば、今をときめくアップル社を創業した、スティーブ・ウォズ二アックとスティーブ・ジョブズだ。2人がヒューレット・パッカード社のインターンで知り合ったのは有名な話だ。またマイクロソフトを創業したポール・アレンとビル・ゲイツはレイクサイド中学と高校で出会った。このように10代、20代前半で出会う人はその後の人生に大きな影響を与える。そういう意味で一流の大学への進学を勧める。一流大学は友人の質が高いからだ。

多様性

アメリカでどのようにしてイノベーションが生まれているかを研究したリー・フレミング氏によると、多種多様な専門分野の出身者からなるチームが生み出すイノベーションは失敗の可能性も高いが、画期的な発明が生まれる可能性も高いとのことだ。そもそも会社という組織も、社会に多様性をもたらるために生み出されたと言える。

ウィークタイズ

ウィークタイズとは、弱いつながりのことだ。転職において普段親しくしている身近な人に相談するよりも、自分の業界にまったく関係が無い人に相談したほうがうまく行く可能性が高いことが証明されている。このウィークタイズは転職活動以外にも役立つ。東日本大震災のとき、東京大学医科学研究所の上(かみ)医師は、透析患者の緊急搬送を試みる。しかし搬送のためのバスがなかなか調達できない。バス会社は原発事故現場の近くにバスを出すことをためらった模様である。上医師は方々にあたった結果、教え子が都内の旅行会社に勤務する友人に相談したところバスの調達に成功し、無事、患者を搬送することができた。教え子と旅行会社の友人は、趣味のサークル「古文書研究会」で知り合った。まさにウィークタイズだ。

おわりに

本書は「仲間づくり」をテーマに書かれているが、著者は自らを「社交的な人間ではない」という。大学卒業後の進路についてコンサルティング会社に内定をもらっていたが、自分の性格を鑑みて大学の助手を選択したほどだ。「社交的ではない」著書からすると、書店に並んでいるような、人脈や仲間づくり、チームビルディングをテーマとした本は、ある程度、うまれついての社交的な人を対象にしていると感じたとあり、本書にも即効性があるようなテクニックについては述べられていない。社交的ではないが、高い目標や志をもち、社会にインパクトを与えるためにコツコツと努力できる方に役立つのではないだろうか。

以上

君に友だちはいらない
瀧本 哲史 著
2013/11/15 初版発行

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

カレンダー

2021年3月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031