Common sense is the collection of prejudices acquired by age eighteen. It is harder to crack a prejudice than an atom.

インプロ 自由自在な行動表現

インプロとは、インプロビゼーション【improvisation】の略で「即興」という意味だ。本書は表向き、英国を代表する劇作家が俳優を養成するために即興を中心とした様々なレッスン方法を紹介した本である。しかし本書で語られるエッセンスは、俳優のみならず、画家や演奏者といったアーティストを育てる、ひいてはコミュニケーションに長けた人、想像力に長けた人を育てることに役立ちそうだ。そのエッセンスを一部紹介する。

芸術教師 アンソニー・スターリング

スターリングによると芸術は子供の”内”にあり、大人が与えられるようなものではない、教師は生徒より優れてなどいない、だから実演してみせるなどもってのほかだし、「これは良い、あれはダメ」と価値を押し付けてはいけない。スターリングの態度が示すのは生徒は決して敗北を経験すべきではないというものだ。彼の教師としての技術は、生徒が必ず成功体験だけを積めるように導くところにある。

ステイタス

コミュニケーションの妙は、ステイタス(=立場)を読み取り、また臨機応変にステイタス動かすことだ。例えば教師には3タイプある。タイプ1は生徒には気に入られているが、クラス内の規律を維持できないロー・ステイタスの教師。タイプ2は生徒には嫌われているが無慈悲な規律を課すハイ・ステータスの教師。タイプ3は生徒に大変愛されていて、罰も与えないのに規律は見事に保たれ、かつ人間味にあふれているステイタスのエキスパート、つまり状況に応じてステイタスを変化させるとができる教師だ。

独創性

もし独創性で私たちを驚かせたいのなら、最初に思いついたアイデアで自分自身にとっては平凡であまり面白くないものを選ぶことだ。ふたりとして同じ人間はいないのだから、より当たり前なことをすればするほど、独創的に見える。

霊感を受けた芸術家は当たり前のことをしているだけだ。モーツアルトは自分のアイデアについてこう述べている。アイデアがいつどのようにしてやってくるか、私にはわからない。私は、自分が楽しいと感じることを記憶にとどめておき、教えられたとおりその記憶をハミングする習慣がある。

おわりに

本書の原作は1979年発刊であるが、その内容は色あせず、欧米では俳優教育のバイブルとして利用されているとのことだ。ただし、俳優養成を主眼に置いており、子供を育てる、ビジネスマンとしての部下を育てるといったことに応用するためには、少々想像力が必要だ。そう、まず読者自身が本書のエッセンスを生かし、想像力を発揮しなければならない。

以上

インプロ 自由自在な行動表現
キース・ジョンストン 著 三輪えり花 訳
2012/2/25 発行

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