Common sense is the collection of prejudices acquired by age eighteen. It is harder to crack a prejudice than an atom.

子どもはなぜ勉強しなくちゃいけないの?

8人の識者(養老孟司、茂木健一郎、藤原和博、福岡伸一、坂東眞理子、瀬戸内寂聴、内田樹、荒俣宏)が、タイトルどおり「子どもはなぜ勉強しなくちゃいけないのか?」について、各自の考えを述べている本である。以下、印象的だった箇所を紹介する。

坂東眞理子

人と人の関係は共通の言語だけでなく共通の知識がコミュニケーションの基礎となる。共通の知識があってこそ、信用を得たり、力をあわせて仕事を成し遂げたり、愛する人と出会ったりして、人生を豊かにできる。自分自身がたくさんの経験を積み、心の痛みや喜びを知ることのほか、特に幼いころは、読書によって、いろいろな人生や考え方を知り、共感力を身につけた。

福島伸一

「知識の時間軸を持っている人」のことを「教養のある人」と呼ぶのだと私は思う。たとえば微分積分は17世紀のヨーロッパで発明された。世界は神様ではなくどうやらもっと動的なものであるということがわかってきて、その動きをどうしたら予見できるのかを知りたくなり、なんとか世界を止めてみたいという切実な思いから考えだされた概念だ。このようなことを大人は子供に少しでもいいから話してあげられると勉強の意味合いが広がる。

茂木健一郎

古代ギリシャで哲学者のプラトンの弟子がプラトンに「スポーツ競技の優勝者には賞品が与えられるのに哲学者には賞品が与えられないのはなぜか」と問いました。プラトンの答えは「賞品は、その人の功績と比較してより価値のあるものでないと意味がない。しかし知恵を得る以上に価値があるものなどこの世に存在しない。だから知恵を得た人には渡すべき賞品がないのだ。

本書は、大人向けと小学生高学年向けの2つの語り口で、ほぼ同じ内容が述べられており、子供にも読める本となっている。編著者があとがきに書いているが、福沢諭吉は、著書「文明教育論」で英語のeducationの訳として「教育」ではなく「発育」とすべきであると述べている。世界万物の知識を完全に教えることはできないが、未知なる状況に接しても狼狽することなく、道理を見極めて対処する能力を発育することはできるということだ。8人の識者の考え方とともに編著者の教育に対する思いも伝わる本となっている。

以上

子どもはなぜ勉強しなくちゃいけないの?
おおた としまさ 編著
2013/6/24 発行

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