Common sense is the collection of prejudices acquired by age eighteen. It is harder to crack a prejudice than an atom.

日経新聞と財務省はアホだらけ

喧嘩を売っているタイトルの本だ。著者2名はそれぞれ、日経新聞と財務省の出身で、2019年10月に予定されている消費増税の話から、過去のウラ話や背景が赤裸々に語られている。興味深ったのは、日本の金融・財政政策に関して世界の常識からかけ離れていると指摘している点だ。

日本の非常識:社会保障のために消費税を上げる

財務省は、消費税増税の目的を社会保障の充実に当てるためと強調している。しかし、世界に目をやれば消費税を社会保障目的税としている国は無い。社会保障は、保険原理で運営するというのが世界的な潮流で、財源は保険料にするが、保険料を支払えない人の分を所得税の累進部分で補填するという仕組みである。一般国民は知らないし、財務省に忖度してか、不勉強なのか、日経新聞も書かない。

日本の非常識:国際競争力を維持するために法人税を下げる

諸外国で、法人税が徐々に引き下げられているが、国際競争力のために法人税を下げている国は無い。そもそも個人に所得税を課して、さらに法人税を課すことは、税金の原則である二重課税に違反しているが、個人所得を完全に補足できるわけでは無いので、やむなしの部分があった。しかし、最近の技術進歩で、個人所得の補足率が高くなっているおり、諸外国では法人税を引き下げている。実態としては「国際競争力を維持するため」というお題目は、マイナンバー制度の導入が諸外国よりも遅れたための方便とのこと。

日本の非常識:中央銀行は政府とは独立している

日本では、政府や多くのマスコミは、中央銀行である日銀は、政府から独立した機関であるかのように吹聴している。しかし、人事や予算を政府に握られていて、どこが独立しているのであろうか。グローバルスタンダードの中央銀行の独立性とは、手段の独立性であって、目標の独立性ではない。例えばインフレ目標を設定するのは政府であるが、その目標をどういう手段で実現するかについて、中央銀行に任せるということだ。

おわりに

本書では他にも、中国が進める一帯一路のウソや、財務省がいかに政治家やメディアを取り込んで、自分たちの目的を達成するかについても語られている。視点は異なるが、我々は日本語という障壁のせいで、諸外国の情勢について疎くなりがちだ。もう一度、英語の勉強に取り組んでみようという気にさせられた。

以上

日経新聞と財務省はアホだらけ
高橋 洋一、田村 秀男 著
2018/12/19 初版発行

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