Common sense is the collection of prejudices acquired by age eighteen. It is harder to crack a prejudice than an atom.

プロフェッショナルの未来(2)

「情報技術の発展により、プロフェッショナル(専門家)の知識を社会の中で利用可能にする仕組みが変化することで、様々な専門家の仕事が不要になる」というのが、本書の主張だ。本ブログでは、全7章のうち1章、2章について、3回にわたってポイントを紹介する。

  1. 現在の専門家の定義および専門家を専門家たらしめている力が何なのか?
  2. 現在の専門家という社会的システムは、どんな問題を抱えているのか?
  3. 人工知能(AI)やインターネットを基盤とした情報社会が、専門家の仕事をどう変えていくか、最新の事例

本記事は 2 である。 1 でピックアップした専門家と社会の暗黙の了解は、現代、うまく機能しているように思える。しかし、著者は次の6つの側面(経済面、技術面、心理面、倫理面、品質面、わかりにくさ)で問題を抱えていると指摘している。

専門職という社会的システムの抱える問題 ー経済面ー

一般の人々や組織は、専門家のサービスを必要としているが、トップクラスの専門家によるサービスを受けられるだけの経済的余裕が無い。金持ちや十分な保険に加入していた人物や大企業でなければ、医師や弁護士、会計士、経営コンサルタントといった専門家が利用できない。多くの専門的サービスが非効率で高コスト体質である。

専門職という社会的システムの抱える問題 ー技術面ー

専門家を専門家たらしめている前提のひとつは、専門家の頭の中や書物、キャビネット、彼らが構築した標準やシステムの中にあるというものである。しかしインターネットを基盤とした社会における、情報と知識の大部分が共有される方法とは異なる。また、専門家のサービスを受ける側は、自分で課題に対応できないという前提もあるが、実際の状況とは異なっている。オンラインでその一部は代替可能というのが著者の主張だ。

専門職という社会的システムの抱える課題 ー心理面ー

非専門家では解決できない複雑な課題(例:脳外科手術、裁判での弁護、難解な税制の理解)は、専門家に任せるのが賢明だ。しかし、課題によっては自分自身で解決できる場合もあり、満足感と自尊心が得られる。たとえ素人の手に負えない問題であっても、自分で取り組むことで、難しさの本質に触れることで、心理面でプラスが得られる。しかし現在の専門職は、非専門家が自ら問題を解決するのを意識的、無意識に阻害する。

専門職という社会的システムの抱える課題 ー倫理面ー

専門家は、社会における最も重要な機能とサービスを提供することについて責任を有している。しかし、提供されるサービスへのアクセスが十分に確保されているとは言えない。テクノロジーにより、知識を創造・共有する新たな方法が生み出されているのにも関わらずである。誰もが専門家の知識を活用できるようになれば、利益が不利益を上回るようになると著者らは考えている。

専門職という社会的システムの抱える課題 ー品質面ー

品質面の問題は、専門家が常に低いレベルの仕事しかしないという意味ではない。経済面とも深く関わるが、専門職という仕組みでは、世界最高品質のサービスを受けられるのは、ほんの一握りの人・組織だけである。すべての患者が最高の医師から治療を受けているわけではないし、すべての学生が最高の才能を持つ教師から教えを受けているわけではない。

専門職という社会的システムの抱える課題 ーわかりにくさー

最後の問題は専門家が何をして、何を考えているか非常にわかりにくいという点である。専門家のサービス利用者は、受けたサービスの内容を評価することも、専門家が最適な人物かどうか判断することができない。一方で、高い手数料を正当化するために意図的な複雑化や、権威の強化といったものが行われる場合がある。

(3)に続く。

以上

プロフェッショナルの未来
リチャード・サスカインド、ダニエル・サスカインド 著
2017/9/30 初版発行

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