Common sense is the collection of prejudices acquired by age eighteen. It is harder to crack a prejudice than an atom.

日本人が知るべき東アジアの地政学(1)

日韓関係の悪化の背景を知りたくて読んだ本だが、日韓関係だけでなく、ロシア、中国といった東アジアに領土を持つ諸外国も含めた外交を読み解くうえで、重要な考え方であり、4回に渡って要点をまとめたみた。第1回は、地政学の基本的な考え方だ。※地図の拡大はこちら

地政学とは?

地理的な条件が、国家の行動、国家間の関係に大きな影響を持つという視点で考えるのが地政学である。欧米の政治家や軍の幹部は、海と陸の地政学を熱心に研究し、外交交渉や戦争に活用してきた。比較的安定した条件に恵まれた日本人があまり気を配ってこなかった思考法でもある。

国家の3つのパターン

地政学では、大ざっぱに大陸国家と半島国家、島国の3パターンに分類する。東アジアでは、大陸国家は中国とロシア、島国は日本と台湾だ、半島国家は、朝鮮半島とベトナムだ。ただし半島国家に分類されるには、大陸国家から攻め込まれやすいかどうかという観点で地図を2次元だけでなく3次元でみる必要がある。例えば、イタリアは2次元の地図で見れば半島国家だが、大陸との接点にはアルプス山脈があり、大陸側から陸地づたいには攻め込まれにくい(※ナポレオンが攻め込んだように例外はあるが)ので、半島国家には分類されない。

チョークポイント

チョーク(choke)とは首を絞めることを意味する。つまり地政学上、そのポイントを握られてしまうと首が締まってしまうかのように致命的な地点・地域をこう呼ぶ。とりわけ島国、そして海洋への進出を狙う大陸国家にとって、海上交通路の要所を押さえておくことは重要にな理、典型的なのは運河や海峡である。日本にとってのチョークポイントは、台湾とフィリピンの間にあるバシー海峡、中国の太平洋進出にとっては沖縄の宮古海峡、ロシアの太平洋進出にとっては宗谷海峡や津軽海峡がチョークポイントになる。

シーパワー vs ランドパワー

地政学では、地形としての大陸国家と半島国家、島国とは別に政治的に目指す方向性として「シーパワー=海洋国家」と「ランドパワー=大陸国家」に分類する。歴史的に海外との商業ネットワークに依存する島国は航海の自由を求めシーパワーを志向する。反対に人口に比べて広い領土を有する国は、自分たちの版図され守れればいいことになる。両者を比較すると、シーパワーの生き残りはビジネス、商売に依存するため、イデオロギー(どうあるべきかという観念論)よりも経済合理性(どうすれば特をするかという経験論)を優先する。一方でランドパワーは、比較的国内にこもっていられるため国内支配のためにイデオロギーを重視する傾向にある。なお、同じ国でもシーパワーを志向する時代、ランドパワーを志向する時代がある。

第2回に続く。

以上


日本人が知るべき東アジアの地政学
茂木 誠 著
2019/6/25 初版発行

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