Common sense is the collection of prejudices acquired by age eighteen. It is harder to crack a prejudice than an atom.

必携インターネット広告 プロが押さえておきたい新常識

インターネット広告の業界団体が編簿した、俯瞰的、網羅的にインターネット広告の本質をあぶり出そうという書籍だ。新常識というサブタイトルがついているが、ほんの一部の人しか知らない新常識が書かれているわけではない。ベテランの方にはあたり前の常識もあるが、進歩のスピードが早い業界のため、見落としているものもあるでしょ、というスタンスだ。本ブログでは、インターネット広告は門外漢の私が、なるほどと思ったポイントについて紹介する。

本書でのインターネット広告の定義

企業活動は、企業の理念やビジョンが起点となり、商品の企画・開発から、価格、流通、プロモーションといったマーケティング活動、販売、アフターサービスが含まれる。プロモーションには、広告宣伝と販売促進の2つに大別され、前者は商品の製品・サービスの価値や性能、品質を広く社会に伝える活動、後者は、ダイレクトメールやイベント開催など、販売を支援する活動と言える。インターネット広告は、その両方に利用可能という特徴がある。本書でのインターネット広告の定義は「媒体社が有償で提供する広告枠に提出されるもの」と定義している。例えば、企業のサイトなどのオウンメディアは含まない。また、アフィリエイトのような販売代行活動も含まない。

インターネット広告によるデジタル化の3つの要点

(1)コンテンツと広告の分離

従来の広告媒体(新聞、テレビ、雑誌など)はコンテンツと広告が一体である。例えば、同じテレビ番組を見れば、みんなが同じコマーシャルを目にすることになる。一方で、インターネット広告は、同じWebサイトを見ても、人によって表示される広告を切り替えることができる。

(2)リアルタイムでのデータ収集と分析

従来の広告では、広告の効果測定は、事後の調査などを経て収集するため、タイムラグが発生するし、全数の調査はできない。一方、インターネット広告はリアルタイムで分析し、効果も全数で把握することができる。

(3)ハイパーリンクの活用

ハイパーリンクとは、テキストや広告、画像や動画に埋め込まれた、他のファイルやWebサイトへの参照情報で、クリックすると指定された場所に飛ぶことができるものである。従来の広告媒体では、広告を出しても、店舗を訪れ、消費行動に繋がったかは測定することが難しいが、インターネット広告では、ハイパーリンクにより、今まで取りたくても取れなかったユーザー行動の一部を可視化することが可能になった。

広告指標の考え方

インターネット広告の目的は、成り立ちや性質から次の2つに収斂される。一つ目はブランディング目的(例:企業自体、製品・サービスの認知度向上)、もう一つがパフォーマンス目的(例:直接的な購買に繋がった、会員になった)である。ブランディング目的の場合、広告投資によって、効果の最大化(=同じ広告投資でより多くの結果を得る)を目指すのに対し、パフォーマンス目的の場合、効率の最大化(=広告投資を減らして、減らす前と同じぐらいの結果を得る)といった違いもある。

広告指標は大きく分けて、「到達指標」と「効果指標」の2種類がある。到達指標は、実際にどれだけ予定通り広告がユーザーに到達したかを検証する指標、効果指標は、広告配信によって、ユーザーの態度や行動の変化にどれだけ影響を与えたかを検証する指標になる。

代表的な到達指標には、インプレッション、リーチ、フリークエンシー、GRP(リーチxフリークエンシー)、CPM(広告配信1,000回あたりの単価で広告費÷インプレッションx1,000で求める)の5つが紹介されている。また効果指標の方は、広告認知率(広告到達者のうち、何%の人が広告を認知したか?)、態度・行動変容効果(例えば、クリック単価やコンバージョン単価)、ブランディング効果などがある。

おわりに

本書はインターネット広告を担当することになったが、広告は門外漢のベテランや若手が、企業活動全体やマーケティングの中でのインターネット広告の位置付け、歴史、指標と測定、品質向上への取り組み、課題、社会的意義など、全体像を把握する上で役立ちそうだ。各インターネット広告媒体(例:Google、Facebook)のテクニカルなノウハウを紹介する本が多い中で、ユニークな視点の本である。

以上


必携インターネット広告 プロが押さえておきたい新常識
一般社団法人 日本インタラクティブ広告協会(JIAA)
2019/10/11 初版発行

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