Common sense is the collection of prejudices acquired by age eighteen. It is harder to crack a prejudice than an atom.

なぜ、システム開発は必ずモメるのか?

システム開発がうまくいかないのは、日常茶飯事である。本書はその原因について、プロジェクト管理上の問題に起因すると思われるケースについて解説するとともに、対策について、IT紛争を手がける弁護士、SIベンダの社員、ユーザーといった架空の登場人物が登場して、コミカルに解説している。

威圧的なユーザ

威圧的なユーザのせいで、ベンダのメンバがプロジェクトを離脱し、システムが完成しなかった場合、ユーザに責任を取らせることができるか?平成19年12月4日の東京地裁の判決では、ストレスが原因だったとしても、ベンダにおける労務管理上の問題で、ユーザに帰責することはできないと判断されている。

パッケージソフトウェアの不具合

ベンダが提案したパッケージソフトウェアがユーザ企業に適合せずにプロジェクトが破綻することがある。もちろん、多くのケースではベンダ側の責任が問われることになるが、問われなかったケースもある。パッケージソフトが別の大手ベンダのデータベースソフトを使用しており、そのデータベースソフトの不具合が原因であるケースだ。そのデータベースソフトが広く国内で利用されており、信頼性が高く、不具合が稀にしか発生しないというのが責任を問われなかった理由だ。

検収後のバグ

平成21年7月31日の東京地裁の判決では、検収書があっても、納入物件にテスト仕様書や結果報告書が含まれておらず、テストを実施しているとは見なせないとし、また多数のバグが出ていることを理由にベンダが仕事をしなかったと判断し、債務不履行で費用返還が命じられた。

おわりに

本書では日本におけるIT紛争の判例を引用していたりしたため、てっきり著者は、弁護士か何かと思っていたが、実際はSIベンダ出身であった。なるほど、やたら細かいプロジェクトのチェックリストが載っていたりと納得がいく。本書の内容には関係無いが、2つの領域にまたがる専門家は、労働市場でも生き残れるだろう。

以上


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なぜ、システム開発は必ずモメるのか?~49のトラブルから学ぶプロジェクト管理術~
細川 義洋 著
2013/10/01 初版発行

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