Common sense is the collection of prejudices acquired by age eighteen. It is harder to crack a prejudice than an atom.

「自分」で考える技術

「自分で考える時代が始まった。」という文章で始まる本書は、哲学者である著者が、自分で考えることの重要性を述べるとともに、読書術や文書術を紹介する本である。自分で考えることの重要性をのべた前半の章から、興味深かった内容を紹介する。

紙の上の知識や技術は役にたたないか?

紙の上の知識や技術は役にたたない、実際に経験して獲得する知識や技術のみが役に立つという主張に対し、イギリス人の哲学者ホッブスは、こう答えた。実際に経験して獲得する知識や技術は範囲が限られる。「書物という世界」を介さないで、どうして万人に通じる知識や技術を獲得できようかと。情報社会といわれて久しいが、個人が”生”で手に入れられる情報には限りがある状況には変わりない。

偏差値教育が秀才のタイプを変えた

日本の近代教育では、暗記力の強化を重視していた。しかし1979年から始まった共通一次試験(現センター試験)は情報社会に適応した人材の育成に寄与している。共通一次試験は、教科書に準拠して出題されるため、普段の勉強をきちんとしていれば、特殊な暗記能力がなくても平均点が取れ、それなりの大学に進学できる制度だ。それまでは、各大学が重箱の隅をつつくような問題のみを出題する試験だった。

国家による情報独占

国家が情報を独占すると、国民の知的技術的能力を極端に小さくすることで、国力を衰弱させる。旧社会主義国家の崩壊は、情報を国家が一元管理した結果でもある。一方で現在、情報社会といわれる国家は、先進諸国と呼ばれるアメリカ、日本、西欧諸国、カナダ、オーストラリアなどほんの一部である。これらの国はすべて言論統制が緩やかな民主主義国家である。

おわりに

本書では、自分で考えることの重要性を指摘するとともに「考えるための読書術」「書くことの重要性」「書く技術の磨き方」といった実践的な内容も含まれている。

以上


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「自分」で考える技術
鷲田 小彌太 著
2014/04/25 初版発行

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