Common sense is the collection of prejudices acquired by age eighteen. It is harder to crack a prejudice than an atom.

TEDトーク 世界最高のプレゼン術

世の中に広める価値のあるアイデアを伝えることを使命とする非営利組織TED。TEDのカンファレンスには数多くの熟達のプレゼンターがステージに立つ。本書は、TEDのオーガナイザーでもあるジェレミー・ドノバンが、実際のTEDカンファレンスでプレゼンターが駆使している様々なノウハウをまとめた本である。例えば、次のようなものだ。

アイデアは短いキャッチフレーズで伝えよう

TEDのプレゼンターたちは、核となるアイデアを基本フレーズやパワーバイト(強いインパクトを与える端的な言葉)に転換し、聴衆の心に深く刻み込まれるまで繰り返し口にすることによって、自分たちのアイデアが広く伝わるようにしている。

例えば、サイモン・シネックの場合はこうだ。シネックは成功するリーダーや企業に共通する次のような特徴を見つけた。普通の人や企業は「何をするか」から話をはじめ、運がよければ「どうやって実行するか」をほんの少し語る。対照的に、偉大なリーダーや優れた企業は、「何のためにそれをするのか」から話を始め、つぎに「どうやって実行するか」を語る。「何をするか」は最後にとっておく。そして、シネック氏はこのアイデアを「Start with Why」というごく短いキャッチフレーズに要約している。

聴衆をつなぎとめる”焦らし”のテクニック

スピーチの構成は「聴衆にこれから話す内容を告げる」→「本論に入る」→「話したい内容をまとめる」の三段構成が基本である。この構成の場合、スピーチのキモとなる部分を初めからさらけ出してしまいがちである。スピーチのレベルを上げるには、焦らしのテクニック「つなぎ」を盛りこむことだ。聴衆に自分自身のことを考え、もっと情報が欲しいと思わせるようなコメントや質問をすることだ。

例えば、あなたが健康に良い3種のスーパーフルーツを紹介するとして、冒頭で3種類のフルーツの名前を明かしてしまうのではなく、「健康に10年長生きさせてくれる3種のスーパーフルーツがあると言ったら、あなたはどうしますか?しかも簡単に手に入り、いつでも手軽に食べられるとわかったらどうでしょう?」という風な具合にだ。

スピーチにユーモアを盛り込もう

ユーモアには3つのタイプがある。自虐ギャグ、事実を大げさに語る、権威をこきおろすの3つだ。例えば、2008年のTEDで脳科学者のジル・ボルト・テイラーは、自分自身に起きた脳卒中をどのように研究したかを語ったとき、次のようなトークで聴衆を笑いの渦に巻き込んだ。

その瞬間、私の右腕は脇腹の横で完全に麻痺していました。そして悟ったのです。「まあ、大変!私、脳卒中を起こしている。脳卒中よ!」。でも次の瞬間、私の脳はこう囁いたの。「わあ!すごいじゃない。これはすごいことよ!」。自分の脳を徹底的に調べるチャンスに恵まれた脳科学者なんて、そうそういないでしょ?

おわりに

本書で紹介されているノウハウには、アメリカ人の著者が英語圏の文化を背景に書いており、日本人には馴染めない箇所もある。しかし、日本でビジネスを行っていてもグローバル化が進む近年、英語圏のビジネスマンを相手にプレゼンテーションする機会も増えていくことだろう。これから世界に打って出ようとするビジネスマンにとって本書は参考になる箇所が多いのではないだろうか。

以上

TEDトーク 世界最高のプレゼン術
ジェレミー・ドノバン 著
2013/7/20 発行

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